さっき、

momoneko42005-10-27

ついに、ベタが死んだ。
力尽きるまでの1時間弱、ずっと見ていた。
逆立った鱗が一瞬淡い色に変わり、その後だんだんと元の深い群青色に変わっていった。
白い砂利の上に横たわりながら、30分間程尾ひれを断続的に痙攣させ、そのあいだは口を力なく開閉していた。
最後の一瞬、口を大きく開け閉めしたあと、ギュッと口が閉じられ、急速に眼球が濁っていくのを見た。


やはり原因は、あたしがうまく管理できなかったことにあると思う。ストレスを与えていたかもしれないし、水質が悪化していたのかもしれない、濾過材、水温、ph、水草・・・原因がはっきり分からないけれど、彼が寿命で死んだのでない事だけははっきりしている。本当に悔しい。死んでほしくないと、この一週間心の底から思った。
死ぬ瞬間をきちんと最後まで見届けられた事と、あの深く、ところどころ紫がかった美しい青い色で死んでいったこと。これがせめてもの救いだ。変色した体で死なせるのだけは絶対に嫌だった。


庭に穴を掘り、彼を埋めた。土をかぶせた上に、去年の夏に余った花火を立てて、火をつけた。

火花が消えるまでの間に、去年の1月に死んだ実家の黒猫を思い出していた。家で生まれた猫で、妹がずっと世話をしていた。ヤツが(たぶん)事故で死んだ朝、もう妹は学校に行った後だった。帰ってくるまで亡骸を出しておく訳にも行かず、父親がものすごく悔しがりながら埋めた。妹は学校から帰ってきた後、猫の埋まった場所を掘り返し、夕闇の中しばらく猫の亡骸に手を当ててじっとしていた。その後確か、ラベンダーの香りの線香をあげていたな。。。打ち上げ花火くらいすればよかった。


青い色の影が網膜から消えるまで、まだ暫くかかりそうだ。