最近読んだ本

1日に2時間半くらい電車に揺られている事が多かったので、本をまとめて読んだ。そう考えると電車も悪くないねぇ。

破戒 (新潮文庫)

破戒 (新潮文庫)

新しい思想を持ち、人間主義の教育によって不合理な社会を変えて行こうとする被差別部落出身の小学校教師 瀬川丑松は、ついに父の戒めを破って自らの出自を告白する。丑松の烈しい苦悩を通して、藤村は四民平等は名目だけの明治文明に鋭く迫る。(解説:野間宏

国境の南、太陽の西 (講談社文庫)

国境の南、太陽の西 (講談社文庫)

今の僕という存在に何らかの意味を見いだそうとするなら、僕は力の及ぶかぎりその作業を続けていかなくてはならないだろう――たぶん。「ジャズを流す上品なバー」を経営する、絵に描いたように幸せな僕の前にかつて好きだった女性が現れて―――。日常に潜む不安をみずみずしく描く話題作、待望の文庫化。(裏表紙より)

これねー、さらっと読めてそれでいて結構面白かった。この作品があるの知らなかった。相方が貸してくれた。村上春樹の作品は、すごく独特で、このー、どこにでもありそうな現実の世界にするりと入り込んでくる不思議な世界の感触?これがすごい(そしてキモい)。やっぱり気持ち悪いし、作品によってはすっごーく不快な気分になったりするけど、読み出すと止まらなくなっちゃう。読んでいる間、脳内のしゃべり方や考え方が、なんとなく春樹色になるよ。そこがまたすごい(そしてやっぱりキモい)。
今日美学概論の先生が、「小説っていうのは、『現実』と『フィクション』(虚構)が、曖昧な境界線によって常に隣り合っていて、ちょっとしたきっかけでお互いが溶け出し、混ざり合って一緒くたになったり、もしかしたらお互いが反転してしまうかもしれない(夢だと思っていたものが実は現実で、実際に生きていると思っていた現実が実は夢だった、みたいな)、ぎりぎりの状態で成立していて、そこに人々は引き込まれてしまうんだ。だからそうやって見ると、小説というものはものすごく芸術的だ。」みたいなことを言っていた。それを聞いている時に、あ、なんかそれって村上春樹っぽいとあたしは勝手に思ったよ。
この「国境の〜」は、最近通いつめている青山近辺とか、あとあたし個人の中でもう一度行きたいところベスト3に入る金沢とか、素敵な場所がでてきてなんだか良い。うん。金沢また行きたいな。綺麗な所だった。あんま関係ないけど、「小松空港」って名前がなんだか胸キュン。

穴があったら、落っこちたい! (角川文庫)

穴があったら、落っこちたい! (角川文庫)

怪傑ハリマオの勇姿にイカれ、バスの窓から髪をなびかせて、「風の中のヒーロー」気分に浸っていた幼少期。初恋の相手に捧げる歌まで作ってしまったがその相手が「犬」ってどうよ?!(「はじめてのヒーロー」)
あるときは初めての水洗トイレに戸惑い、またあるときは衝撃の「運動会ファッション」に打ちのめされて・・・。恥ずかしい「初体験」の数々を語り尽くす「うさぎの『はじめて』物語」。
心から離れない事件を、うさぎオリジナルの視点で分析した「うさぎ道、けもの道」。
中村うさぎの二つの顔が覗く、文庫版書き下ろしエッセイ!

ああー。。。ついに手に取ってしまった中村うさぎ。絶対読んじゃダメって心に言い聞かせてたのに!しかもここで紹介してるしね!ダメだろ!嗚呼、そんなアタシはダメ女・・・。面白かった!